升田幸三の、勝負―人生は日々これ戦場。
ところで、将棋には升田式石田流という戦法があるけど、あれ石田和雄九段が考案したんですか? っていう質問をどこかで見かけてちょっとウケたな。石田流は、江戸時代の盲目の棋士、石田検校が編み出した戦法。盲目で将棋を指すなんて凄いしカッコいい。プロの目隠し将棋というのは尋常でなく凄いと思う。目隠ししたまま何面も指すんだからねぇ、参ります。
脱線したが、升田幸三という棋士は、これまた伝説的で、人間的に濃密な魅力があった人ではないかな。無類の囲碁好きで話し上手、人付き合いも広範で、何事も好き嫌いがはっきりした人であったらしい。その分、一度認めた人物とはとことん親しくしていたようだ。そんな升田幸三の人となりは本書を読んでもらえばわかると思うけれど、その他の内容としては、将棋の駒を「人材」に見立てて語るところが面白かった。たしかに将棋は一度取った駒を再利用できる、世界でも稀なゲーム。捕えた敵を打首獄門とはせず、役に立つものなら使ってやろうという度量の広いゲームなのだ。この特有のルールが将棋を奥深く面白くしている一番の要因だろう。